続・相馬黒光のオルガンプロジェクト

相馬黒光(新宿中村屋の創業者)のオルガンプロジェクトの続編、岡谷市のマリオプラザさんの企画で120年前に作られた西川オルガンに再会。明治日本の大先輩方の熱い想いが鍵盤から伝わってくる、そんな楽器でした。熱心なお客様と公演後のお食事会(お酒付き)が嬉しい日でした。細やかな対応を頂いたマリオプラザのスタッフの皆さんと今日お会いした全ての方に、私達を応援してくださっている全ての皆様に感謝。

パーセルツアー

千曲市坂井銘醸 昭和蔵IMG_0075

パーセルツアーのスタートは千曲市の古い酒蔵。現在ではこの場所では醸造を行っていないそうですが、
日本酒造りの歴史を今に伝える博物館的な役割を果たしています。
演奏会場は昭和蔵という広い蔵で壁に、使われている木の板にこの蔵で行われた醸造の
歳月の重みを読み取ることができます。
コンサートの後、社長さんにこの施設内のお店で美味しいお蕎麦や天ぷら、
卵焼きをご馳走していただきました。
ここのお蕎麦はオススメです。戸倉駅から歩いてすぐです。

フィリア美術館IMG_0077

山梨県北杜市小淵沢町にあるフィリア美術館での第二公演。絵画、版画が展示されているスペースでアカデミックな雰囲気の中演奏をさせていただくことができました。響きの良い空間にはクオリティの高いパイプオルガンも設置されており、一曲はオルガンで通奏低音を弾いてみました。たくさんのお客様にお出かけいただき、感謝です。

石川県白山市 Kamino Cafe71714148_1418387608327550_4613697793993736192_n

白山の山あいの集落にあった牛舎を改築しておしゃれなスペースに生まれ変わった建物。まだ開店して一年というカフェですが、白山を愛するオーナーさんの細やかさですでに地元の方々に愛されるお店になっている印象。店内は調度品からお皿までとにかくおしゃれでオーナーさんのこだわりが随所に光ります。コンサートというよりライヴですが、満席状態で大変盛り上がりました。石川県での公演は輪島さん製作の美しいスピネットを演奏させていただきました。

石川県白山市 金澤古楽堂秋のコンサート72471753_1408524669307260_6859502739571867648_o

いつもお世話になっているピアノ技術者でチェンバロ製作も行っている輪島忠雄さんが主催する金澤古楽堂の秋のコンサートに出演させていただきました。畑の中に立つアート&クラフト交流館というスペースで、よく響く会場の窓からはのどかな田園風景が広がります。こちらも会場いっぱいのお客様に熱心に聴いていただきました。

静岡市 ミュージアムカフェ ピリパラ74473760_1434024416763869_926061220362977280_n

千秋楽は静岡。ベンドサイドスピネットを貸していただいていた方に楽器をお返しに行くのにくっつけてコンサートを開かせていただきました。静岡の音楽関係者が集まり、ちょっとコアな内容の話もできて楽しい公演でした。終演後は静岡の音楽仲間たちとの打ち上げで、静岡の熱い音楽魂にエネルギーをいただきました。

パイプオルガンってどんな音?

「パイプオルガンって、どんな音?」
お話と演奏の会
山梨県北杜市小淵沢町のフィリア美術館にあるパイプオルガン。オルガンの名工草苅徹夫氏が1990年に完成させた、11ストップの小ぶりな楽器ですが、透徹した響きに定評のある素晴らしいオルガンです。
近年は館の事情でオルガンを使った催事は殆ど行われていませんでしたが、オルガンの面白さを広く知っていただきたいという館長さんの想いに応えて、ささやかなデモンストレーションを行うことになりました。
オルガンの仕組みやそれぞれの笛の音色の特徴など、実際に鳴らしながら解説するイベントです。初めてオルガンをナマで耳にする方が、「こんな音もするんだ」とか、「音がでる仕組みがなんとなく分かった」と面白く感じていただけたら嬉しいです。また草苅オルガンの魅力を少しでもお伝えできたらと思います。
通常の入館料のみでどなたでもお楽しみ頂けます。ご予約も不要ですので、気が向いたら絵画鑑賞と合わせて気楽にお立ち寄り頂ければ幸いです。各回大体同じような解説で30分程度のデモンストレーションを予定しています(演奏曲は変えます、多分…(^^))。
8月12日(月)11時〜
8月17日(土)11時〜
9月8日(日)11時〜
入館料 大人500円 小人300円
フィリア美術館
0551-36-4221
山梨県北杜市小淵沢町上笹尾3476-7667520357_2165149046943928_727040450275311616_n

オルガンの修理編

オルガン修理の助手で鎌倉へ。オルガンを立ち上げると、弱々しい音が鳴ったかと思うと、すぐに音が出なくなる。送風関係のトラブル。送風機からのダクトを開閉するシャッターを調節する、ふいごからの紐が経年劣化で切れていたのが原因。トラブル自体は単純だが、音が出なくなって教会の方々は気が気でなかったと想像。
新しい紐に交換すると、文字通り息を吹き返し、鳴りっぷりの良い力強い音色が堂内に響き、作業完了。
由比ヶ浜の目と鼻の先という条件もあり、潮風の影響で金属は腐蝕気味。ヒストリカルな楽器のように、パイプもなかなか渋い色に。
因みに昭和初期の美しいレトロな建物で、文化財条例の関係かクーラーは設置されていないので、かなり堪えました(^^)

 

鷲の羽音島巡礼記

昨年末に妖精の版画家、太田二郎さんが出版した物語『鷲の羽音島巡礼記』に付随する
音楽CDを制作させていただきました。
物語は人生の意味を見失った青年が
神秘の島「鷲の羽音島」へ巡礼の旅に出る場面から始まります。
青年はそこで色々な人々や出来事に出逢っていく中で
自己の実存に立ち返ってゆくというお話を、
太田氏特有の深い洞察と優しい文体で綴ったものです。
出版記念として、昨年12月に東京の神楽坂のギャラリーで
お話と音楽のイベントを行いましたが、
今回そのイベントを少し形を変えて原村でもやってみようということになりました。

音楽は1540年にヴェネツィアで出版された
ムジカ・ノーヴァという曲集に含まれるリチェルカーレを
富士見町在住の小渕晶男氏が製作したイタリアン・ヴァージナルで演奏します。
原謡子もルネサンスの歌を歌います。
太田氏の朗読とともに妖精の世界へ巡礼してみませんか?

太田二郎 朗読
原謡子 うた
杉本周介 イタリアンヴァージナル

7月27日(土)13:30開場 14:00開演
studioR (八ヶ岳自然文化園正門前)
入場料 一般2500

主人公の青年が「鷲の羽音島」へ旅立つシーンのスケッチを太田さんが描いてくれました。

 

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聲と弦のあいだに 三重公演

7月14日(日

昨年春に行ったうたとピアノによる『聲と弦のあいだに』を、三重県松坂市で演奏させて頂きます。私が幼少の頃からお世話になっている三重県のジャズピアニストの方が私達の公演を聴いて、一度地元に紹介したいということでお声をかけて頂きました。

イギリス、スコットランド、アイルランドの民謡を私なりに編曲したものばかりです。

ライブハウスでの演奏で、いつもの環境とは違うので、どんな風に受け止めていただけるのか、今からとても楽しみです。

https://youtu.be/4_v6M4Zdlzc

ジャスライブ

南信州のジャスギタリスト、岡只良さんに誘われて、原村自然文化園のデリ&カフェKで、オルガントリオのライブ。

オールオリジナルナンバーで、どうなるかと。大人気ドラマーの橋本学さんの華麗なるドラミングで会場が盛り上がり、楽しい夜。

に、しても200Kgあるハモンドオルガンは重いのであった。

相馬黒光のオルガン

相馬黒光のオルガン(西川オルガン、明治23年〜30年製)の修復が完了し、安曇野の井口喜源治記念館に納品に同行。現地の関係者や新聞記者などが集まり、小さなお披露目会が催され、原謡子と数曲演奏させて頂いた。

それにしてもこの楽器は音色が良い。解説を書くにあたって調査したが、恐らく発音リードはアメリカのエスティ社製と思われる。

相馬黒光や薄幸の長女俊など、このオルガンが見つめてきた人物や出来事など、集まった関係者と話に花が咲いた。こうしたオリジナル楽器や史料、文献に触れられる点で、これは日本の西洋音楽のもう一つの古楽とも言えるかもしれない。

6月1日に穂高交流学習センターのホールで、このオルガンを主人公にしたトークコンサートを開くことになったので、詳細が決まり次第またお知らせします。

オルガン調整

オルガン調整に日帰りでK親方と横浜市に出張中。

ふんわりとした温かみのある音色。

冬期によくみられる乾燥による不具合と思われる。

静岡での古楽公演

去る2月16日ヴァイオリニスト丹沢広樹さんの発案で、
彼の故郷である静岡県で意義深い古楽公演が行われました。
ブクステフーデの代表作「我がイエスの肢体」
素敵な響きを持つ静岡音楽館AOIホールの公募事業に
丹沢さんが応募し、採用された催事でした。
募集要項に静岡県の演奏者を半数以上含めるという規約があり、
今回は声楽の5名、ガンバコンソートの5名、丹沢さんの11名が
静岡ゆかりの人物ということで、演奏者も聴衆も親密な雰囲気での
コンサートになりました。(数年間私も伊豆に住んでいたことがありますが・・)

それをサポートする器楽隊は、ヴァイオリンの天野寿彦さん、ヴィオローネの
角谷朋紀さん、テオルボの金子浩さん等、第一線で活躍するメンバーが関東から、
私が長野から静岡に結集。

それにしても渋い選曲のオール・ブクステフーデ・プログラム。
器楽隊の質の高い演奏はもちろんのこと、
声楽陣の緊密な演奏と、心のこもったガンバコンソートの響きがとても印象的でした。
聴衆の大半はブクステフーデという作曲家を初めて耳ににした方々だったと思いますが、
最初から最後まで本当に熱心に聴いていただきました。
丹沢さんの要望でコンサートの最初と最後にオルガン独奏をしましたが、
高い位置にあるオルガンの演奏台からホールを見渡した時のお客様の集中力に
今回の企画に対する期待の高さが伺えました。
地方都市ではまだまだ古楽というものが珍しいものなので、
今回のように地元の演奏者も交えたこうした取り組みは
聴衆に親近感を持って古楽を聴いていただく点でとても画期的だったと思います。

丹沢さんは企画から事務、宣伝集客そして演奏まで、遁走する怒涛の1年間だったはずです。
その甲斐あって、彼の熱い想いに集まったお客様と演奏者たちが
一体になった思い出に残る演奏会になりました。
ホールのスタッフの皆さんにも全力でサポートいただき、
効果的で円滑な運営ができました。
これを企画した丹沢さんを、深く尊敬します。
心からおめでとう、そしてありがとう。