公演「バッハが弾いた?幻のチェロを追って」

ムジカ・ロゼッタ古楽コンサート vol.28

〜Violoncello da Spalla〜

八ヶ岳中央高原キリスト教会 (長野県諏訪郡原村原村1077-142)
2023年9月23日(土)13:30開場 14:00開演
前売一般¥3500 前売ペア¥6500 学生¥1500
小中高生無料 当日¥4000

天野寿彦 (ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ/バロックヴィオラ)
丹沢広樹(ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ/バロックヴァイオリン)
原謡子 (ソプラノ)  杉本周介 (オルガン)

バッハの伝記を書いた18世紀の著名な音楽学者のヨハン・ニコラウス・フォルケルが1872年に残した文章に次のようなものがあります。「この状況(ヴィオラとチェロの音域の中間を演奏する楽器の必要性)を打破するために、ライプツィヒ市の音楽監督であったヨハン・セバスティアン・バッハ氏はヴィオラ・ポンポーサと呼ばれる楽器を創造した。それはチェロと同じ調弦であるがさらに高音側に弦が追加されており、ヴィオラよりも幾分大きな本体を持っている。その楽器にはベルトが取り付けられていて胸の前で腕に抱えることができる。」ここにある5本目の弦を必要とするバッハの作品は複数見受けられ、有名な無伴奏チェロ組曲の第6番は5本の弦を持ったチェロのためにという指定があります。またカンタータのアリアなどで「ヴィオラ・ポンポーサ」をしてしているものが確認できます。この頃バッハが非常に親しかった弦楽器製作家ヨハン・クリスティアン・ホフマンが製作した肩掛け式チェロが現在ブリュッセルの博物館に収蔵されています。新しい響きが大好きなバッハがこのホフマンの楽器を知らないはずがありません。バッハはヴァイオリンやヴィオラ奏者としても活動したので、これらと同じ構え方で演奏できる「チェロ」を自身で演奏していたかもしれません。
今回の公演では日本国内でヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ=ヴィオラ・ポンポーサを研究し演奏している弦楽器奏者の天野寿彦さんをお迎えし、またこの楽器を以前から弾いている丹沢広樹さんを交えて、バッハの目線から見たヴィオロンチェロ・ダ・スパッラの隠された歴史を追うトークコンサートです。演奏曲目はもちろんバッハを中心としたレパートリーで、これを聴けばスパッラにちょっと詳しくなれるに違いありません。なんと、演奏会で使うスパッラを製作した弦楽器製作家の高倉匠さんも駆けつけてくれることになっているので、製作家目線のお話もお伺いしようと思っています。ぜひ、お聴き逃しなく!