ムジカロゼッタ古楽コンサート vol.25
「管と聲の対話」コルネットの華麗なる世界

400年の時を経てよみがえる幻の響き

とうとうムジカロゼッタでこの楽器とこの演奏家をご紹介できる時が来たことが私は嬉しくてなりません!皆さんは「コルネット」という楽器をご存知でしょうか。吹奏楽が好きな方ならトランペットを小さくしたような金管楽器を思い浮かべるかもしれません。今回ご紹介するコルネットは木製の管楽器です。リコーダーのように孔が付いていて細身の角笛のように見えます。ですが、この楽器はバジングと言ってトランペットのように唇を震わせて音を作ります。すなわち管自体は木管で発音は金管楽器なのです。このため木管の柔らかく温かい音から金管の華やかな音まで驚くほど多彩な音色が作り出されるのです。1500年から1650年頃までが全盛期でその多彩さから声楽アンサンブルに溶け込む楽器としても独奏楽器としても常に主役の座に居続けました。

このルネサンスから初期バロックにかけて高らかに聖堂に響き渡った花形楽器コルネットは一言で言うと「めちゃくちゃカッコいい」楽器です。私もその音色に憧れて、廉価版のコルネットを買っちゃったことがありますが、だめです、全く音が出せません。私の歯並びが悪いだけでは理由にならないくらい難しいです。口を当てるマウスピースの径がとても小さく、よほど繊細にコントロールしないと音程どころか音すら出ません。しかし、ルネサンスの時代からコルネット奏者は巧みな技を持っていたことは彼らのディミニューション編曲を見れば明らかです。それらを演奏している現代のコルネット奏者がやっていることはもはや人間業とは思えません。

当時から人気があったコルネットには名曲がたくさんあります。コルネットの魅力を様々な角度から感じていただける17世紀イタリアを中心にレパートリーを組んでいます。そしてコルネットは声楽との相性がとても良いので、原謡子とのコラボレーションも外せません。教会のような響きのある会場でテオルボやオルガンの通奏低音でアンサンブルをすると気分はほぼ17世紀のイタリアの教会間違いなしです。

古い教会の祭壇画などにも頻繁に描かれている楽器で、その場合決まって天使達が吹いています。そして今回天使のように大胆で軽やかに演奏する素晴らしいコルネット奏者、上野訓子さんをお迎えします。上野さんはブルース・ディッキー、ウィリアム・ドンゴワ、ジャン・テュベリという現代のコルネットの巨匠達のもとで学び、帰国してからは関西を中心に全国を飛び回っている第一人者です。しかもご主人の笠原雅仁さんも声楽、リュートと並んでコルネットまで吹いてしまうマルチプレイヤーでコルネットはテュベリの弟子という筋金入りです。お二人とも欧州の名門古楽アンサンブルで活動もなさってきました。コルネットを知って楽しんでいただくのに打って付けのお二人なのです。この秋、是非とも「コルネット」大好き病に感染していただきたいと思います。

八ヶ岳公演では、響き優先と素晴らしいオルガンが使えるという理由で会場はフィリア美術館にしましたが、大きな会場ではありません。収容人数も駐車場も限られていますので、ご興味をお持ちになった方はできるだけお早めにお申し込みをいただければと思います。今回のツアーは神戸の由緒ある聖愛教会、静岡の札の辻クロスホールと、どこも響きの良さをこだわった会場を巡ります。使うオルガンは毎回違いますがどの会場もおすすめです。

T. コレクィオン=G.ダッラ・カーサ: “小さく可憐な花”によるディミニューション
G.B.リッチオ:エコーの形式によるカンツォン(ソプラノ2声)
S.ロッシ: 対話形式のソナタ
G.B.フォンターナ:ソナタ第一番

【神戸公演】神戸聖愛教会 (兵庫県神戸市)
2022年10月7日(金)18:30開場19:00開演
前売一般¥3000 当日¥3500 学生¥1500

【八ヶ岳公演】フィリア美術館 (山梨県北杜市小淵沢町)
2022年10月 9日(土) 13:30開場 14:00開演
前売一般¥3500 当日¥3800 学生¥1500

【静岡公演】札の辻クロスホール (静岡県静岡市)
2022年10月10日(月・祝)18:30開場 19:00開演
前売一般¥3500 当日¥3800 学生¥1500

上野訓子(コルネット)
笠原 雅仁 (コルネット/バリトン/テオルボ)
原謡子 (ソプラノ)
杉本周介 (オルガン)

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