鷲の羽音島巡礼記

昨年末に妖精の版画家、太田二郎さんが出版した物語『鷲の羽音島巡礼記』に付随する
音楽CDを制作させていただきました。
物語は人生の意味を見失った青年が
神秘の島「鷲の羽音島」へ巡礼の旅に出る場面から始まります。
青年はそこで色々な人々や出来事に出逢っていく中で
自己の実存に立ち返ってゆくというお話を、
太田氏特有の深い洞察と優しい文体で綴ったものです。
出版記念として、昨年12月に東京の神楽坂のギャラリーで
お話と音楽のイベントを行いましたが、
今回そのイベントを少し形を変えて原村でもやってみようということになりました。

音楽は1540年にヴェネツィアで出版された
ムジカ・ノーヴァという曲集に含まれるリチェルカーレを
富士見町在住の小渕晶男氏が製作したイタリアン・ヴァージナルで演奏します。
原謡子もルネサンスの歌を歌います。
太田氏の朗読とともに妖精の世界へ巡礼してみませんか?

太田二郎 朗読
原謡子 うた
杉本周介 イタリアンヴァージナル

7月27日(土)13:30開場 14:00開演
studioR (八ヶ岳自然文化園正門前)
入場料 一般2500

主人公の青年が「鷲の羽音島」へ旅立つシーンのスケッチを太田さんが描いてくれました。

 

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聲と弦のあいだに 三重公演

7月14日(日

昨年春に行ったうたとピアノによる『聲と弦のあいだに』を、三重県松坂市で演奏させて頂きます。私が幼少の頃からお世話になっている三重県のジャズピアニストの方が私達の公演を聴いて、一度地元に紹介したいということでお声をかけて頂きました。

イギリス、スコットランド、アイルランドの民謡を私なりに編曲したものばかりです。

ライブハウスでの演奏で、いつもの環境とは違うので、どんな風に受け止めていただけるのか、今からとても楽しみです。

https://youtu.be/4_v6M4Zdlzc

6月のロゼッタ古楽コンサート

ムジカロゼッタ古楽コンサートシリーズ Vol.13
輝く地中海の風 イタリアの喜びの音楽

6月には楽しく軽快な古楽コンサートを計画しています。今までお届けしてきたコンサートでは静かな落ち着いた宮廷音楽が多かったのですが、今回はノリノリの音楽がメインです。これを言い出したのはリュートの金子浩さんでした。ヴァイオリンの丹沢広樹さんは本当は野生的な演奏が得意で、金子浩曰く「丹ちゃんを野放しにして、こっちはバロックギターでじゃんじゃんやったら楽しいのだろうなあ」だそうです。どうせそこまでやるなら、パーカッションを入れてとことんやったほうが演奏者はもちろん、お客様も聴いて楽しんでもらえるのではと考え、ジャズでご一緒した橋本学さんを誘ってみました。彼は「古楽で打楽器を叩くのは初体験!」と、とても楽しみにしてくれています。
今回中心となるリズムのスタイルはチャコーナです。チャコーナ(ciaccona)とは、南米ペルーの舞曲が17世紀初頭にヨーロッパで大流行したもので、本来の舞曲が性的な表現を含んでいたことから、スペインでは一時は演奏を禁止されたました。その後イタリアでも流行しモンテヴェルディをはじめ多数の作曲家がその形式を借用した楽曲を残しています。
ギターとチェンバロが掻き鳴らす和音の上に自由奔放に動きまわるヴァイオリンの名人芸、そして民族的情緒いっぱいのパーカッションが華を添え、クラシックの枠を通り越した熱く愉快な世界が広がります。メンバーは丹沢広樹(ヴァイオリン)、第二ヴァイオリンに若手の長谷川悠、金子浩(リュート&バロックギター)、原謡子(ソプラノ)に加えて、人気ジャズドラマーでもある橋本学のパーカッション。私は17世紀イタリア様式のチェンバロで参加予定です。伊那公演は昨年に引き続き、地域に古楽の面白さと楽しさを紹介するシリーズの第二弾です。伊那市での公演は地元の声楽家お二人との共演プログラムです。数年前に古楽に初めて挑戦した彼女たちも、今では古楽らしい歌を披露してくれます。

伊那公演
6月15日(土) 18:30開場 19:00開演
ニシザワ いなっせホール (伊那市)
前売一般¥3000  当日¥3500  高校生以下¥1000

原村公演
6月16日(日) 15:00開場 15:30開演
八ヶ岳中央高原キリスト教会礼拝堂 (諏訪郡原村)

前売一般¥3000  前売ペア¥5500 当日¥3500  高校生以下¥1000

出演  ソプラノ         原謡子  浦野純子(伊那公演)
メゾソプラノ        熊崎志津子(伊那公演)
バロックヴァイオリン   丹沢広樹 長谷川悠
リュート&バロックギター  金子浩
チェンバロ        杉本周介
パーカッション      橋本学

お問い合わせは下記のフォームからでも受付いたします。2日経っても返信がない場合は、お手数ですが再度送信してください。

リート公演

伊那市の自然豊かな庭園に囲まれた場所で、声楽家の熊崎志津子さんと原謡子のジョイント公演でピアノフォルテで伴奏してきました。

CPEバッハやモーツァルト、ハイドンの歌曲を詩人の話などを交えながらお聴きいただきました。伊那市にお住まいの熊崎先生のお知り合いの方々が多く、先生のお人柄を感じます。楽器の運搬、調律から司会進行役をしながらの演奏はなかなかハードでしたが、眩しいほどの天気に恵まれて、私にとっては楽しい公演でした。

帰り道は有名な高遠城址公園の夜桜見物。一度は来てみたかったので、良い機会でした。樹々の合間から枝先を見上げると、紺色の夜空に花が咲き乱れる幻想的な光景が広がっていました。

リート公演は21日に茨城県つくば市でも開かれる予定です。どんな出会いが待っているのか、楽しみです。

ジャスライブ

南信州のジャスギタリスト、岡只良さんに誘われて、原村自然文化園のデリ&カフェKで、オルガントリオのライブ。

オールオリジナルナンバーで、どうなるかと。大人気ドラマーの橋本学さんの華麗なるドラミングで会場が盛り上がり、楽しい夜。

に、しても200Kgあるハモンドオルガンは重いのであった。

相馬黒光のオルガン

相馬黒光のオルガン(西川オルガン、明治23年〜30年製)の修復が完了し、安曇野の井口喜源治記念館に納品に同行。現地の関係者や新聞記者などが集まり、小さなお披露目会が催され、原謡子と数曲演奏させて頂いた。

それにしてもこの楽器は音色が良い。解説を書くにあたって調査したが、恐らく発音リードはアメリカのエスティ社製と思われる。

相馬黒光や薄幸の長女俊など、このオルガンが見つめてきた人物や出来事など、集まった関係者と話に花が咲いた。こうしたオリジナル楽器や史料、文献に触れられる点で、これは日本の西洋音楽のもう一つの古楽とも言えるかもしれない。

6月1日に穂高交流学習センターのホールで、このオルガンを主人公にしたトークコンサートを開くことになったので、詳細が決まり次第またお知らせします。

オルガン調整

オルガン調整に日帰りでK親方と横浜市に出張中。

ふんわりとした温かみのある音色。

冬期によくみられる乾燥による不具合と思われる。

静岡での古楽公演

去る2月16日ヴァイオリニスト丹沢広樹さんの発案で、
彼の故郷である静岡県で意義深い古楽公演が行われました。
ブクステフーデの代表作「我がイエスの肢体」
素敵な響きを持つ静岡音楽館AOIホールの公募事業に
丹沢さんが応募し、採用された催事でした。
募集要項に静岡県の演奏者を半数以上含めるという規約があり、
今回は声楽の5名、ガンバコンソートの5名、丹沢さんの11名が
静岡ゆかりの人物ということで、演奏者も聴衆も親密な雰囲気での
コンサートになりました。(数年間私も伊豆に住んでいたことがありますが・・)

それをサポートする器楽隊は、ヴァイオリンの天野寿彦さん、ヴィオローネの
角谷朋紀さん、テオルボの金子浩さん等、第一線で活躍するメンバーが関東から、
私が長野から静岡に結集。

それにしても渋い選曲のオール・ブクステフーデ・プログラム。
器楽隊の質の高い演奏はもちろんのこと、
声楽陣の緊密な演奏と、心のこもったガンバコンソートの響きがとても印象的でした。
聴衆の大半はブクステフーデという作曲家を初めて耳ににした方々だったと思いますが、
最初から最後まで本当に熱心に聴いていただきました。
丹沢さんの要望でコンサートの最初と最後にオルガン独奏をしましたが、
高い位置にあるオルガンの演奏台からホールを見渡した時のお客様の集中力に
今回の企画に対する期待の高さが伺えました。
地方都市ではまだまだ古楽というものが珍しいものなので、
今回のように地元の演奏者も交えたこうした取り組みは
聴衆に親近感を持って古楽を聴いていただく点でとても画期的だったと思います。

丹沢さんは企画から事務、宣伝集客そして演奏まで、遁走する怒涛の1年間だったはずです。
その甲斐あって、彼の熱い想いに集まったお客様と演奏者たちが
一体になった思い出に残る演奏会になりました。
ホールのスタッフの皆さんにも全力でサポートいただき、
効果的で円滑な運営ができました。
これを企画した丹沢さんを、深く尊敬します。
心からおめでとう、そしてありがとう。

ブクステフーデ公演のお知らせ

静岡音楽館AOIホールで2月16日に開催されるコンサート『われらがイエスの肢体』が迫ってまいりました。盟友のヴァイオリニスト丹沢広樹君が故郷である静岡の音楽文化に一花添えようと、尽力しての思い入れ深い公演。歌手とヴィオラ・ダ・ガンバ・コンソートのメンバーが静岡県民で、それを日本の古楽界をリードする器楽演奏家達が支える形になっている。

先週東京で全員が集まってのリハーサルが行われた。歌手の方々もバロックのスタイルに慣れてきたこともあり、本番への良い展望ができたと思う。このプログラムを静岡という場所で静岡の方々と共に届けられることは、意義のあるものになるに違いない。ぜひ多くの方々にこの丹沢広樹君の熱い想いを応援していただければ嬉しい。

 PV動画はこちらをご覧ください!

オール・ブクステフーデ・プログラム

『我らがイエスの肢体』BuxWV75
トリオ・ソナタ イ短調 BuxWV272

2019年2月16日(土)17:30
静岡音楽館AOIホール

ソプラノ 山田祐規子 川畑璃紗
アルト 佐藤典子 テノール
永坂邦彦 バス
鷲見誠一
バロックヴァイオリン 丹沢広樹 天野寿彦
ヴィオラ・ダ・ガンバ 西谷尚己 川畑みどり 田中伸代 清野美佳 梶山雅美
ヴィオローネ     角谷朋紀
テオルボ       金子浩
オルガン       杉本周介

企画・主催 丹沢広樹 静岡音楽館AOI 指定管理者(公財)静岡市文化振興財団
一般¥2500 22歳以下¥1000
お問い合わせ 静岡音楽館インフォメーション 054-251-2200

コルネット&サクバットアンサンブル

山梨大学の企画「古楽キャラバン」の一環で、甲府市の音楽科を持つ高校でのレクチャーコンサートに出演させていただいました。今回は後期ルネサンス〜初期バロックのコルネット&サクバットのアンサンブルで、通奏低音を担当しました。ずっと前からこの編成での演奏を夢見てきた私にとっては、とても思い出深い公演になりました。国内でも奏者がたいへん少ないこれらの楽器ですが、素晴らしいメンバーに囲まれて演奏する華やかなレパートリーはどれもとても楽しいものでした。またこのような機会があることを心より願っています。