

聖母マリアの涙 Pianto della Madonna
〜聖と情のあいだ〜
祈りを導く音楽は、心を動かす音楽へ――。
17世紀初頭のイタリア宗教音楽は、当時先端であった世俗の劇的な感情表現を吸収し、
敬虔な祈りの中に、深い人間の心情をドラマティックに映し出すようになった
神と人とのあいだに立つ聖母の涙、その音楽に宿る“聖と情”の交錯が
晩秋の森に佇む静かな礼拝堂に響く
会場:
八ヶ岳中央高原キリスト教会礼拝堂
日時:
2025年11月1日(土) 14:00開場 14:30開演
演奏曲
クラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643)
「聖母マリアの涙」(倫理的・宗教的な森 1641)
ジョヴァンニ・プリウーリ (1575-1626)
「幸いあれ いと優しきマリアよ」(聖なる花輪 1625)
アスカニオ・マイオーネ (1565-1627)
トッカータ 第4番 (様々なカプリッチョ集 1603)
他
出演者:
ソプラノ:原謡子
バロックハープ:西山まりえ
オルガン/アルピコルド:杉本周介
賛助出演:Cantus Silvanae
入場料:
前売一般¥4300 ペア¥8000 学生¥2500 高校生以下無料
当日¥4500
※大変恐れ入りますが未就学児様はご入場いただけません。あらかじめご了承ください。
ご予約・お問い合わせ:ムジカ・ロゼッタ musicarosetta@gmail.com 070-4430-0666
原謡子 ソプラノ
主に中世、ルネサンス、

西山まりえ バロック ハープ
チェンバロとヒストリカル・ハープ2種の古楽器を自在に操る希有なプレーヤーとして 世界的に知られ、数多くのコンサート、音楽祭や録音に参加。ルネ・ヤーコプス、カル ロス・ヌニェス、ミカラ・ペトリ、山下洋輔、波多野睦美、藤原道山、森山開次など幅広いジャンルに亘るアーティストとの共演は常に多くの反響を呼んでいる。国内外レー ベルでの録音はその多くが「レコード芸術」誌特選盤や朝日新聞推薦盤に選ばれるなど高く評価されている。2019年リリースの「J.S.バッハ:トッカータ集」は、令和元年度 文化庁芸術祭参加作品、朝日新聞推薦盤、「レコード芸術誌」特選盤に選ばれた他、様々な雑誌で採り上げられ話題となっている。東京音楽大学ピアノ科卒業、同大学研究科修 了後、ミラノ市立音楽院、バーゼル・スコラ・カントールムに留学。第11回山梨古楽コ ンクール・チェンバロ部門第1位(第23回同コンクール審査員)および栃木[蔵の街]音楽 祭賞受賞。「信州アーリーミュージック村音楽祭」芸術監督。武蔵野音楽大学非常勤講師。

杉本周介 オルガン/アルピコルド
米国、スイスで作曲、チェンバロ、ピアノ、オルガンを学ぶ。16~18世紀の様々な鍵盤楽器を中心に国内各地で演 奏活動を行っている。古楽アンサンブル「コントラポント」「山梨バッハ アカデミー・バロック オーケストラ」その他 多数の古楽アンサンブルで通奏低音奏者を務めてきた。バロック音楽の楽しさを伝 えるトークコンサートを多数プロデュースしているほか、作編曲の活動、鍵盤楽器やアンサンブルの指導やワークショップも行っている。2020年中軽井沢の修道院に設置されているオルガンの名器によるCD 「定旋律の煌めき」をリリース。2022年CD書籍「Selva d’amore」を執筆。

Cantus Silvanæ 合唱
原村古楽合唱団に所属する有志メンバーにより、グレゴリオ聖歌の純粋な響きを求めて2025年に結成された
女声アンサンブル。指導者・原謡子のもとに、「Silvanaæ(森の精)」の名のごとく、八ヶ岳の自然と調和しながら、静謐で祈りに満ちた声を響かせることを目指している。













はらむら古楽祭の前夜祭として原村古楽合唱団が花井哲郎氏率いる古楽アンサンブル「コントラポント」と、茅野市民館で演奏会を開いた。私はオルガンで「コントラポント」に参加。前半はジャン・ムトンやヴィクトリアのルネサンスポリフォニー、器楽曲を交えつつモンテヴェルディやシュッツ、パーセルを歌いきった。合唱団は難易度の高い曲にもかかわらず、質の高い演奏を聴かせてくれて、花井氏の指導のおかげで長野県にもこうした古楽の合唱団が育ったことに感慨を覚えた。コンサートではルネサンスダンスのデモンストレーションなどもあり、多彩で正味楽しいコンサートとなった。
東京や神奈川から来ているコントラポントのメンバーも、原村に来ると半ばバカンス気分になるので、逆に奏者自身が弾きたい曲を持ち寄ってライヴをしたら面白いだろうと企画した。花井哲郎先生は若いアルトの輿石まりあさんとイギリスの歌曲。バリトン歌手の春日保人さんはフルートで夫人のチェンバロ伴奏でケルト音楽を披露。若手弦楽器奏者ヴァイオリンの丸山韶さんとチェロの島根朋史さんはそれぞれテレマンの無伴奏曲、ヴァイオリンの丹沢広樹さん&リュートの水戸茂雄さん&私の3人はビーバーのヴァイオリンソナタを演奏。多様な音楽をお届けできたライヴだったと思う。
私は降り番だったが、調律や運営サポートに回った。プログラムの内容どれもが特筆すべきものばかりだったが、特に春日保人さんがメインで歌ったモンテヴェルディの「タンクレディとクロリンダ」は熱のこもった名演だった。その他、丸山韶さんをソリストに演奏されたバッハのヴァイオリン協奏曲は、丸山さんの泉のように湧き出るアイディアと爽快なテンポ設定で、エキサイティングな演奏。アルトの輿石まりあさん、テノールの金沢青児さんバリトンお春日保人さん、そしてソプラノの原謡子さん、平田ゆりさんがコントラポントを従えて歌ったバッハのカンタータ「いざ来たれ異教徒の救い主よ」で荘厳にコンサートを締めくくった。
最終日は私が担当のオルガンコンサート。朝9時という時間に開演ながら、80名近いお客様をお迎えして、オランダゆかりの作曲家の作品を演奏した。教会の信徒たちが手作りした温かい音色のオルガンはいつ弾いても、弾き手が癒される。天気も回復してきて良い1日の始まりとなった。
はらむら古楽祭はプロフェッショナルによるの演奏会を提供するだけではなくて、愛好家や興味のある方が参加して楽しいイベントとしての理念がある。愛好家のコンサート、「フリンジコンサート」は年々参加者も増えて、しかもその演奏レベルが毎年高くなってきている感がある。声楽アンサンブル、リコーダーアンサンブル、バロックアンサンブルの他に、オルガンやリュートの独奏も。サプライズゲストでビウエラの水戸茂雄さんとヴィオラ・ダ・ガンバの品川聖さんがそれぞれ独奏を披露してくれたりもした。





四旬節(受難節)に合わせて3月12日から26日までつくば市、静岡市、長野県伊那市、長野県下諏訪町の4ヶ所で、ペルゴレージのスターバト・マーテルの公演を行います。ナポリ楽派の流れをくむ大変繊細な表現に富む名曲。これを地元長野県でバロックのオリジナル編成で演奏できることはとても感慨に深いものがあります。 
