CD冊子『雪下の水音』

妖精の存在を信じますか?

私は子どもの頃からずっと森で育ったので、
不思議な気配を感じることはよくありました。

数年前に版画家の太田二郎さんに出会って、
妖精が本当にいることがよくわかりました。

彼の話だと、気配として感じるだけでなく、
歴史的な伝説や物語にも妖精たちの姿か浮かび上がってくるのです。
そうした目で近所の自然や昔の祠を眺めてみると、
やはり何か見えない存在がいる気がしてきます。

そんな太田二郎さんの妖精にまつわるエピソードや
そこから人間は何を学べるのか、というところまで
掘り下げた文章を冊子にまとめました。
そのイメージを深める目的で、妖精に繋がりがあると思われる
民謡などを、歌と中世の楽器を使った編曲で音楽を制作しました。

とても面白い内容ですし、音楽CDもBGMとしても使えるように
穏やかな曲想にしてあります。

ぜひ手にとって読みながら古楽器の音にも増えていただければ幸いです。

文と絵 太田二郎
歌   原謡子
編曲、作曲と種々の楽器  杉本周介
中世フィドル  平波智映

定価2000円(税込)

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雪下の水音 PV

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はらむら古楽祭2017

9月15日から18日までの4日間、長野県の原村で行われた「はらむら古楽祭2017」。立ち上げから運営スタッフとして協力してきたこの古楽祭も3回目となり、知名度があがり、着実なファンを増やしてきた感がある。今年は自然文化園で行われた中世・ルネサンス部門と、八ヶ岳中央高原キリスト教会で行われたバロック部門の二手に分かれて、より厚みのある体験型のイベントを企画した。私は4回の公演の他に、3台の楽器を移動、調律を担当したので、ほとんど中世・ルネサンス部門を見に行くことができなかったが、台風の影響を少々受けながらもバグパイプの練り歩きがあったり、相当盛り上がったようだ。ここでは私が関わったイベントに絞ってレポートしたい。

原村古楽合唱団演奏会

21730852_1332463310184879_2587195550810000777_nはらむら古楽祭の前夜祭として原村古楽合唱団が花井哲郎氏率いる古楽アンサンブル「コントラポント」と、茅野市民館で演奏会を開いた。私はオルガンで「コントラポント」に参加。前半はジャン・ムトンやヴィクトリアのルネサンスポリフォニー、器楽曲を交えつつモンテヴェルディやシュッツ、パーセルを歌いきった。合唱団は難易度の高い曲にもかかわらず、質の高い演奏を聴かせてくれて、花井氏の指導のおかげで長野県にもこうした古楽の合唱団が育ったことに感慨を覚えた。コンサートではルネサンスダンスのデモンストレーションなどもあり、多彩で正味楽しいコンサートとなった。

古楽ライヴ

21740159_999517613520396_7981021578835477082_n東京や神奈川から来ているコントラポントのメンバーも、原村に来ると半ばバカンス気分になるので、逆に奏者自身が弾きたい曲を持ち寄ってライヴをしたら面白いだろうと企画した。花井哲郎先生は若いアルトの輿石まりあさんとイギリスの歌曲。バリトン歌手の春日保人さんはフルートで夫人のチェンバロ伴奏でケルト音楽を披露。若手弦楽器奏者ヴァイオリンの丸山韶さんとチェロの島根朋史さんはそれぞれテレマンの無伴奏曲、ヴァイオリンの丹沢広樹さん&リュートの水戸茂雄さん&私の3人はビーバーのヴァイオリンソナタを演奏。多様な音楽をお届けできたライヴだったと思う。

コントラポント特別定期演奏会

21751882_890253211140995_5797006979973512071_n私は降り番だったが、調律や運営サポートに回った。プログラムの内容どれもが特筆すべきものばかりだったが、特に春日保人さんがメインで歌ったモンテヴェルディの「タンクレディとクロリンダ」は熱のこもった名演だった。その他、丸山韶さんをソリストに演奏されたバッハのヴァイオリン協奏曲は、丸山さんの泉のように湧き出るアイディアと爽快なテンポ設定で、エキサイティングな演奏。アルトの輿石まりあさん、テノールの金沢青児さんバリトンお春日保人さん、そしてソプラノの原謡子さん、平田ゆりさんがコントラポントを従えて歌ったバッハのカンタータ「いざ来たれ異教徒の救い主よ」で荘厳にコンサートを締めくくった。

オルガンコンサート

21557486_1000050913467066_5752123835420848973_n最終日は私が担当のオルガンコンサート。朝9時という時間に開演ながら、80名近いお客様をお迎えして、オランダゆかりの作曲家の作品を演奏した。教会の信徒たちが手作りした温かい音色のオルガンはいつ弾いても、弾き手が癒される。天気も回復してきて良い1日の始まりとなった。

フリンジコンサート

IMG_3048はらむら古楽祭はプロフェッショナルによるの演奏会を提供するだけではなくて、愛好家や興味のある方が参加して楽しいイベントとしての理念がある。愛好家のコンサート、「フリンジコンサート」は年々参加者も増えて、しかもその演奏レベルが毎年高くなってきている感がある。声楽アンサンブル、リコーダーアンサンブル、バロックアンサンブルの他に、オルガンやリュートの独奏も。サプライズゲストでビウエラの水戸茂雄さんとヴィオラ・ダ・ガンバの品川聖さんがそれぞれ独奏を披露してくれたりもした。

来年はどのようになるのか、今年の反省を踏まえつつ協議して、より楽しい古楽祭を作っていきたいと思った。

日立市民混声合唱団演奏会

9月11日は茨城県日立市の合唱団が創立35周年を迎えての定期演奏会で、ヴィヴァルディのグローリアを古楽オケと演奏。今回は指揮者の希望でムジカ・ロゼッタが若くて実力のある古楽奏者を中心に編成からお手伝い。

日立市民混声合唱団はその歴史の深さから、現役のメンバーも年配者が多いとのことだったが、歌う喜びが伝わってくるようなエネルギッシュな歌声。演奏会は900人のホールが満員になるほどの大成功。直後に開かれた打ち上げもかなり盛り上が理、二次会にも参加。茨城県の方々の温かい人情に感謝。

翌日、興奮冷めやらぬままオルガンを積んで、同郷のヴァイオリン奏者とマネージャーとともに海に立ち寄りながら帰路に着いた。

 

はらむら古楽祭2017

はらむら古楽祭

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はらむら古楽祭が9月16日〜18日と近づいてきました。今年は特に中世ルネサンス部門が拡大されて、ルネサンスダンスのワークショップや楽器製作体験など、一般の方が参加できる要素が増えてます。恒例の練り歩きもバグパイプや中世フィドルだけでなく、クルムホルン隊も加わり、さらに甲冑隊が護衛につくというのだから、相当なお祭りムードとなることは間違いありません。9月の連休はぜひ原村へ!

http://www.fonsfloris.com/haramura-k

この中で私が出演するイベントをご紹介します。

原村古楽合唱団演奏会 (はらむら古楽祭前夜祭)

9月15日18:30開場 19:00開演 茅野市民館コンサートホール
はらむら古楽合唱団は昨年古楽アンサンブルコントラポントとヴィヴァルディの「グローリア」を演奏しましたが、今年は前夜祭ということで、思い切って隣町の茅野市のホールで演奏会を行うことになりました。響きもインテリアも素敵なホールなので、また一味違ったコンサートになることでしょう。

演目:ジャン・ムトン、ヴィクトリア、タリスなどのア・カペラ合唱曲、シュッツ、モンテヴェルディ、パーセル、シャルパンティエなどの宗教音楽

出演 独唱と器楽
古楽アンサンブル「コントラポント」
アルト  輿石まりあ
テノール 金沢青児
バス   春日保人
ヴァイオリン 丹沢広樹・丸山韶
ヴィオラ 上田美佐子
チェロ  島根朋史
オルガン 杉本周介

合唱 はらむら古楽合唱団

指揮 花井哲郎

IMG_2954古楽ライブ

9月16日19:30開演
八ヶ岳中央高原キリスト教会

コントラポントメンバーに、「やりたい曲をやりたいようにやっていいよ」と声をかけて、集まった演目で行うという演奏者たちのバカンス気分満載のガラコンサート。何が出てくるか?私は丹沢広樹とリュート界の大御所水戸茂雄さんとでビーバーのヴァイオリンソナタを演奏予定。
出演 花井哲郎、輿石まりあ、春日保人、春日万里子、丸山韶、島根朋史、丹沢広樹、水戸茂雄、杉本周介

オルガンコンサート

9月18日 9:00開演
八ヶ岳中央高原キリスト教会

今年はメディテーションという形でなく、テーマをもたせたコンサートになりました。オランダ出身の作曲家に的を絞ってお送りする30分ほどのコンサートです。

演目:

J.P.Sweelinck “Christen lux es et dies”
“Allein Gott”
A.van Noordt “Psalm 38”
J-A.Reincken  “Toccata in d”
オルガン 杉本周介

はらむら古楽祭のイベントの前売券はこちらにご連絡いただいても手配できますので、ご興味をお持ちの方はぜひ!

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イタリア恋歌長野公演終了

DSC_0019朗読や照明による演出を加えたムジカロゼッタでは初の試みとなった「イタリア恋歌」長野公演(茅野市民館コンサートホール)が無事(?)終了。

今回はイタリア語の曲をどのようにお客様に理解して楽しんでいただけるか、いろいろな工夫を考えてみました。演出家の桐山ゆみさんの力が大きく、さらに茅野市民館照明スタッフの藤森淳子さんの的確なライティングワークで、音楽の内容がグッとわかりやすくなったと感じました。

イタリア初期バロックのスペシャリスト長尾譲さんと原謡子さんが時にはコミカルに、時には情熱的にラブソングをしっとりと聴かせてくれました。。リュートの名手佐藤亜紀子さんは歌詞の内容を知り尽くした通奏低音で支えてくれました。朗読には色気たっぷりの大山智子さん。

このプログラムは8月6日に千葉県市川市八幡市民会館全日警ホールでも演奏される予定です。お近くの方はぜひ!

イタリア恋歌 〜バロック音楽にのせて〜
8月6日(日)13:30開場 14:00開演
市川市八幡市民会館 全日警ホール

テノール 長尾 譲
ソプラノ 原 謡子
テオルボ・バロックギター 佐藤亜紀子
チェンバロ 杉本 周介
演出・朗読 桐山ゆみ

入場料: 一般前売 2500 当日3000 高校生以下1000

主催:アトリエ楽古

お問い合わせ、ご予約は下記のフォームからも承ります。

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イタリア恋歌PV

普段古楽を聴かない方にとって、チラシだけではコンサートの内容の想像はつきにくいと思います。ということで、PVを作りました。音源は初回リハのもので、まだまだといった部分もありますが、こんなコンサートを計画しているということを少しでもお伝えできればと思います。どの曲もとても素晴らしいし、変化もあります。甘く苦い恋の思い出がよみがえるかもしれません。

コンサートのお問い合わせ、ご予約は下記のフォームからも承っております。長野県では滅多に聴けないプログラムです。

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クラヴィコードとの対話

クラヴィコードは独特の繊細さでいろいろなことを教えてくれる楽器です。一人で音楽に没頭するのに最適な楽器なので、気分が向くと時々録音してみたりします。夜の部屋で音楽と対話する楽しみな時間でもあります。

 

「イタリア恋歌」初合わせ

7月22日(長野県茅野市民館)、8月6日(千葉県本八幡全日警ホール)で上演予定の「イタリア恋歌」のリハーサルに東京へ。

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リハーサルが始まると、メンバーから様々なアイディアが飛び交います。今回は朗読との絡みもあるところがあるので、音楽以外の部分とのすり合わせを考えたりしているうちに、楽しく時間は過ぎていきます。

このプログラムは17世紀前半イタリアのラヴソングを集めたもので、解説や朗読を交えより身近にイタリアバロックに親しんでいただこうという思いから始まったプロジェクト。恋愛は生きている上で誰しも経験する感情の波。現代に生きる我々と17世紀に生きた方と共有できる感情ではないかと思います。現代ではポップス、演歌など様々なジャンルで恋愛をテーマに音楽が繰り広げられています。そんな中に、「こんなのもあるんだね」とバロックを受け入れてもらえたら嬉しいなと思います。

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本場イタリア仕込みの長尾譲さんのテノール、イタリアバロック大好きの原謡子、リュートの名手佐藤亜紀子さん。素晴らしいメンバーと作リ出す哀しくとも甘美なイタリアバロックの歌の世界。本番がとても楽しみになってきました。長野県ではなかなか演奏されない類の音楽ですので、この機会にぜひこれらの美しい作品に触れていただければ幸甚です。

 

7月22日14:00開場 14:30開演
茅野市民館 コンサートホール
朗読:大山智子  演出:桐山ゆみ

8月6日13:30開場 14:00開演
全日警ホール

テノール長尾譲
ソプラノ 原謡子
テオルボ・バロックギター 佐藤亜紀子
チェンバロ 杉本周介

一般前売 2500 当日3000 高校生以下1000

お申し込みお問い合わせは下記フォームから、宜しくお願いします。

fullsizeoutput_133家を出るときに、2週間前から玄関の鉢で育ってきた野鳥キセキレイの雛が羽を広げていたので、そろそろ巣立ちの時かな、と感じてはいたが、帰宅して見ると巣は空っぽ。嬉しような、ホッとひたような、寂しような・・自然に生きることの根底には厳しさと優しさが共存している。そんなことを学ばせてもらった2週間でした。巣立っていった野鳥の家族がいつもでも幸せでありますように。

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想いを馳せる場所

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何か自分で次に演奏する曲を選ぶときに、エネルギーを感じられるような近くの場所を訪れることがあります。今回は自転車で行ける距離にある古くて由緒ある神社。神社といっても大きな社があるわけではなく、石の祠が点在している大きな森といった感じです。そのひっそりとした佇まいの裏には大きなストーリーが。諏訪大社にも関係していて、その歴史はとても古いのだそうです。ひょっとしたら土着の神様も祀られているのでは?と想像が膨らみます。この地帯一帯は元々は御狩野といって、神様たちが狩猟をする場所だったらしく、人が立ち入るようになったのは江戸時代と伝えられています。

縄文時代から人が住んでいたこの八ヶ岳の麓には、遠い昔や森の精霊たちに会えそうな場所が至る所にひっそりと存在しています。イメージを膨らませられるそういった場所を近隣に訪れることができるのは、とてもありがたい事だと思っています。

イタリアの恋歌

イタリアの恋歌

バロックの恋愛歌の歌詞を眺めてみると、その表現の強さにまず驚いてしまうことがあります。よくあるパターンにせっかく抱いた恋心もなかなか成就しないことで、悲しみや裏切りや憎しみに変わってしまうことがあります。表現の強さの程度の差こそあれ、こういったことは現代の私たちも一度は経験したことがあるのではないでしょうか?さっさと諦めたら良いと自分でもわかっているのに、なかなか叶わなかった恋のしがらみを断ち切れない行き場を失った気持ちの表現など、昔の詩人は闊達な表現でそれを文字に書き落としています。自由な表現の意欲に満ち溢れた時代の作曲家たちはそれらを、歌手が語るように歌えるモノディ様式で甘美な楽曲をたくさん残してくれました。

これは昔の人たちの歌というよりは、今に生きる私たちの心を扱った内容だとも思えます。その表現が言葉も旋律も細部まで考え抜かれた表現で、私たちに語りかけてきます。人生は一度きりのドラマでもあり、そこに含まれる一見ネガティブに思える出来事や気持ちも、とらえ方(表現)によってかけがえのない生きている証にもなりえると、これらの作品は気づかせてくれるような気がするのです。

タルクィニオ・メールラ、クラウディオ・モンテヴェルディ、ジローラモ・フレスコバルディなど

テノール 長尾譲
ソプラノ 原謡子
リュート 佐藤亜紀子
チェンバロ 杉本周介
茅野公演は大山智子の朗読が付きます。内容がより身近になります。

7月22日(土)14:00開場14:30開演
茅野市民館 コンサートホール

8月6日(日)13:30開場14:00開演
全日警ホール(市川市八幡市民会館)

前売 ¥2500 当日¥3000 高校生以下¥1000

お問い合わせ、お申し込みは下記のフォームよりお願いします。

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