ハイドンの英語詩によるカンツォネッタ

清里フォトアートミュージアムでハイドンの歌曲のコンサートをDSC_6047
させていただくことになりました。ハイドンは1791年〜92年、
1794年から95年に、音楽興行主のザロモンに誘われて
二度ロンドンでの滞在をします。特に二度目の滞在では英語詩による
カンツォネッタ集を二巻出版します。その成立にはアン・ハンターという
一人の女流詩人の存在が大きな役割を果たしていました。

自然な感情を歌ったアン・ハンターの美しい詩にハイドンは寄り添うような
深みのある音楽をつけています。今回はこのアン・ハンター作詩、
ハイドン作曲の作品に絞ったカンツォネッタに八ヶ岳在住の
春山直英氏製作によるシュタインモデルのフォルテピアノで
伴奏をつけたいと思います。

清里フォトアートミュージアムは写真の美術館で、
写真の世界の楽しさ、奥深さを教えてくれる素敵な
作品が展示されています。現在は台湾写真交流展「島の記憶」
1970〜90年代の台湾写真の企画展の期間中ですので、
こちらもぜひお見逃しなく。

なお、このコンサートの収益はK:MoPAが支援する「ラオ・フレンズ小児病院(ラオス)」、
東日本大震災の被災者支援団体「むすびば(山梨)」に寄付られます。

K*MoPA チャリティライブ2018 Vol.19
Afternoon Classic
9月16日(日)14:00

清里フォトアートミュージアム エントランスホール

ソプラノ    原謡子
フォルテピアノ 杉本周介

参加費:一般¥2000 2名以上はお一人¥1000 小中学生無料 友の会会員無料
要予約・定員70名(全席自由)

お問い合わせ 清里フォトアートミュージアム
0551-48-5599 info@kmopa.com

太田二郎ギャラリーイベント

ootajirou

妖精の版画家、太田二郎氏のギャラリー
イベントに原謡子とともに参加させていただきました。オズワルドという物語の朗読に挟み込む形でイタリア初期バロックの歌曲をお送りしました。太田二郎氏は最近は朗読の腕前にも磨きがかかり、お客様はその世界に浸っておられる様子でした。12月にも東京の神楽坂でのギャラリーイベントに出演させていただっことになっています。

 

異国の王の夢と幻

コンサート『異国の王の夢と幻』

8月4日(土)は再び八ヶ岳中央高原キリスト教会での公演です。こちらは7月の熱い音楽とは全く正反対の「世にも静かな」コンサートです。まず最初にお伝えしておきますが、このコンサートは本当に静かな音楽会です。クラヴィコードなどはその日、外で蝉の声が激しくなると聴こえないのではないか・・とさえ思ってしまいます。でも小さい音は沈黙へ至る無限の説得力を秘めています。皆さんも大切な人に対して本当に大切なことを伝える時には小声でゆっくり話すでしょう?世の中には大きな音が氾濫しています。音が小さな楽器は静謐な世界へ私たちを誘ってくれます。心に静けさが戻ってくると普段は気づかなかった自分自身の気持ちに気がついたりすることがあります。

さて、皆さんは「ビウエラ」という楽器をご存知ですか?16世紀にイベリア半島で流行した撥弦楽器で、ちょうどギターを小さくしたような形をしています。この楽器はスペインのカール5世と息子のフェリペ2世の時代に花開きましたが、その後突然に衰退して歴史からは姿を消してしまった謎に包まれた楽器でもあるのです。このビウエラはとても魅力的な楽器で甘美で哀愁に満ちた音色を持っています。こんな素敵な楽器がなぜ突然消えてしまったのかは、コンサートの中で、私の推論をお話ししたいと思います。 

実はこの楽器、戦国の日本でも演奏されていたらしいのです。キリスト教の伝来とともにこうしたルネサンス期の西洋の音楽文化も日本に持ち込まれていたのですね。この他にチェンバロやヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、オルガン、クラヴィコードが日本に存在していたようです。今回のコンサートにお越しいただければ、織田信長や豊臣秀吉が聴いたであろう響きを体験できるというわけです。

この楽器は独奏しても美しいですが、特に私が大好きなのはビウエラを伴奏にした歌曲です。ちょっと民謡を思わせるような簡素な旋律が情感たっぷりに歌われ、それを寄り添うようにビウエラが支える・・初めて聴くのにどこな「懐かしさ」さえ覚えてしまいます。今回は日本のビウエラ界の重鎮、水戸茂雄さんにお越しいただきます。水戸さんとは昨年のはらむら古楽祭でご一緒させていただきましたが、その時披露してくださったビウエラの響きがとても鮮烈なものでした。ぜひ水戸さんの演奏を皆さんにちゃんとした形でお届けしたいと思いました。

そして歌は透明感のある歌声で定評がある原謡子。以前から彼女の声はビウエラ歌曲に合うと思っていましたので、とても楽しみです。私は同じ頃にスペインで黄金時代を迎えていた鍵盤楽器の曲を、1540年頃ナポリ(スペイン領)で作られたと言われるクラヴィコード(複製)を使って演奏します。このクラヴィコードは富士見町在住の製作家小渕晶男さんが製作したもので、彼はこの現存する最古のクラヴィコードの実物を調査しにライプツィヒ(ドイツ)の博物館を訪ねて、そこで得たデータや楽器の意図を元に復元したそうです。真夏の昼下がりにビウエラ歌曲。気分はオレンジやオリーブの香り漂うイベリア半島です。

『異国の王の夢と幻』

~16世紀スペイン宮廷が紡いだ魂の音楽~

■日時 8月4日(土)13:00開場 13:30開演

■場所 八ヶ岳中央高原キリスト教会

■出演 ビウエラ/水戸茂雄 ソプラノ/原謡子 フレット式クラヴィコード/杉本周介

■お問い合わせ ムジカロゼッタ 090-7695-9441

前売一般¥3000  前売ペア¥5500   高校生以下¥1000

当日一般¥3500(当日ペア券はございません)

 

バロック音楽で訪れる「イタリア」という国

7月8日に原村の八ヶ岳中央高原キリスト教会で行うコンサートの
イメージ動画を作りました。
情熱的な曲が演奏される予定です。

7月8日(日)15:00開場  15:30開演

タルティーニ: ヴァイオリンソナタト短調 「悪魔のトリル」
ヴィヴァルディ:リュート協奏曲
        トリオ・ソナタ「ラ・フォリア」
ジェミニアーニ:チェロソナタ イ短調

バロックヴァイオリン: 丹沢広樹、上田美佐子
バロックチェロ :   島根朋史
アーチリュート&バロックギター: 金子浩
チェンバロ: 杉本周介

前売一般¥3000  ペア¥5500  当日¥3500
高校生以下¥1000

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7月8日 原村コンサートのお知らせ

バロック音楽で訪れる「イタリア」という国

せっかく仲の良い演奏家たちが長野県に集まってくれるので、
もう一つ公演をやろうということになりました。
バロックヴァイオリンの丹沢君がタルティーニの難曲を持ってくるので、
それに合わせて18世紀イタリアのプログラムです。
なんと、金子浩さんがヴィヴァルディのリュート協奏曲を披露してくれるとのことで、
これは長野県下初演なのではないかと思います。
バロックチェロの島根君もソロを考えてくれていますし、
上田美佐子さんに加わっていただいて、ヴィヴァルディのラ・フォリアを
通奏低音3名で贅沢に演奏します。
夏の原村中央高原の森の教会で聴くイタリアバロックをお楽しみいただけたらと思います。
ご予約は下記のお問い合わせフォームからもどうぞ。

7月8日(日)15:00開場 15:30開演
八ヶ岳中央高原キリスト教会

丹沢広樹、上田美佐子 (バロックヴァイオリン)
島根朋史 (バロックチェロ)
金子 浩 (アーチリュート)
杉本周介 (チェンバロ)

前売 一般¥3000 ペア¥5500 当日¥3500 高校生以下¥1000

主催:ムジカロゼッタ

 

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7月7日 伊那コンサートのお知らせ

 

7月7日「バロック音楽の愉しみ」in 伊那

長野県の南信地域の伊那市で、多彩なプログラムのコンサートを企画しました。
このコンサートはどちらかというと古楽に馴染みがない方を対象にしたもので、
それぞれの楽器を紹介したり、ちょっとしたインタアクティブな楽しい仕掛けを考えています。
企画の立案者でもある、地域の歌手の方にも共演していただいたり、
いな少年少女合唱団とコラボしたりして、地域の中に入っていけるような
内容を目指しています。長野県でどんどん古楽が受け入れられていったら嬉しいです。

7月7日 ニシザワ いなっせホール (伊那市生涯学習センター6F)

丹沢広樹 (バロックヴァイオリン)
島根朋史 (バロックチェロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ)
金子 浩 (テオルボ・バロックギター)
杉本周介 (チェンバロ)

浦野純子、熊崎志津子、原謡子 (ソプラノ)
特別出演 いな少年少女合唱団

一般 ¥3000   高校生以下 ¥1000

主催:NPO法人クラシックワールド、ムジカロゼッタ
お問い合わせ:伊那市生涯学習センター 0265-78-5801

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原村古楽合唱団コンサート報告

5月20日に、原村の八ヶ岳中央高原キリスト教会で行われた
原村古楽合唱団のコンサートで、オルガンとイタリアンヴァージナルを
演奏させていただきました。
コンサートではおよそ100名のお客様をお迎えして、
イギリス・ルネサンスの重要な作曲家ウィリアム・バードの
合唱曲の他にヴィオラ・ダ・ガンバの合奏、
鍵盤曲が演奏され、バードの様々な側面が楽しめる内容でした。
指揮の花井哲郎先生が冒頭にユーモアたっぷりの解説をしたあと、
プログラムを切れ目なく駆け抜けました。

 

原村古楽合唱団コンサート

古楽合唱の第一人者、花井哲郎先生率いる原村古楽合唱団の演奏会が
八ヶ岳中央高原キリスト教会で開かれます。
今回はイギリス・ルネサンスの最も重要な作曲家の一人
ウィリアム・バードの宗教曲の他に、
ヴィオラ・ダ・ガンバの合奏曲などがプログラムに入っています。
私もオルガンとイタリアンヴァージナルで合計3曲を演奏予定です。
全ての曲がウィリアム・バードの作曲によるものなので、
これを聴くと、ちょっとイギリスの音楽に親しみが湧くかもしれません。

原村古楽合唱団ペンテコステ演奏会
『英国ルネサンスの音楽』

演奏:原村古楽合唱団
指揮:花井哲郎

特別出演:
ガンバ・コンソート:北田契子、園山結里、市川雅敏、小泉美千代
ソプラノ独唱: 原謡子
オルガン/イタリアン・ヴァージナル:杉本周介

2018年5月20日(日)15:00開場 15:30開演
八ヶ岳中央高原キリスト教会

前売一般 ¥1800  前売ペア¥3000  当日¥2000

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吉野剛広ギャラリーイベント

友人で画家の吉野剛広さんの個展が長野県諏訪郡富士見町の夢屋ギャラリー(JR信濃境駅前)で行われています(4月30日まで)。吉野さんの作品は鮮やかな色彩で描かれた心象風景がモチーフで、観る人を不思議な世界へと誘ってくれます。「はらむら古楽祭」のイラストも吉野さんが毎年描いてくださっています。森をテーマに描き続けて、近年は森の動物のオブジェも制作しています。

4月21日(土)14:00からギャラリーイベントがあり、私もそこで演奏をさせていただきます。今回は原謡子と共にハイドンやモーツァルトの歌曲を数曲シュタインモデルのフォルテピアノを持ち込んで、吉野さんとの対談の合間に演奏します。普段は寡黙な吉野さんなので、どんなお話が聞けるのか、今から楽しみです。

当日参加も可能ですが、お茶が用意されるので可能なら事前にお申込みいただけると助かるそうです。0266-64-2196(夢屋)参加費はドリンク付きで千円です。

吉野さんの絵画と演奏を組み合わせた動画を作りましたのでよかったらご覧ください。

八ヶ岳やまびこホール

fullsizeoutput_259山梨県北杜市の八ヶ岳やまびこホールで開かれた、17世紀北ドイツの最も重要な作曲家の一人ブクステフーデの代表作「我らがイエスの御体」の演奏会にチェンバロで出演させていただきました。指揮をしたのは山梨大学教育学部で教鞭をとる片野耕喜教授で、片野氏が日頃指導する合唱団「甲府コレギウム・アウレウム」に加えて県内外で活躍する豪華なソリスト陣をピリオド楽器によるオーケストラ「山梨バッハアカデミー・バロック・オーケストラ」で支えました。

昨年11月にもほぼ同じメンバーで演奏しましたが、合唱団にとっては3回目となると余裕が生まれ、さらに表現を追い込めたりできたので、説得力が増したように思います。前回よりも合唱団のアンサンブルがとても綿密になっていたのでとても驚きました。ソリスト人の歌も感情のこもった温かいものでした。お客様も大勢ご来場くださったので、とても良い公演だったと思います。

山梨県は近場とあって、普段はなかなか参加できない打ち上げに。やはりこれがあると一つのイベントを力を合わせてやり切れたという実感があるのでよかったと思います。この公演を通じて真摯に音楽に向かっている演奏家の方々との出会いがあり、打ち上げの席でも楽しく交流をさせていただきました。こうして繋がったご縁に感謝して、大切にしていきたいと思いました。