リチェルカーレ

隣町に住む妖精の版画家、太田二郎さんが新しい本を出版するとのことで、それに付録するイメージCDを制作のお誘いをいただきました。選曲を迷っていますが、本の内容から16世紀のリチェルカーレをアルピコルドで弾いたら合いそうな気がしています。

サンプルに録音して、秋の風景を撮ってきて動画にしてみました。ルネサンスのこうした曲は結構好きです。

我らがイエスの肢体

2019年2月16日に静岡市AOIホールで開かれるコンサートに出演する歌手の指導に静岡に。ブクステフーデのMembra jesu Nostriという宗教曲で、ソプラノ2、アルト、テノール、バスの5人編成の歌手をバロックヴァイリンやガンバ、通奏低音で支えます。歌手の方々は静岡で活躍する皆さんです。こうした声楽アンサンブル的な要素のある曲はあまり演奏されていないとのことで、各声部の聴き合い方などを中心に3時間の稽古をしました。ガンバの西谷さんの素敵な古民家のご実家をお借りして練習させていただきました。これから本番までは月に一回のペースで静岡に行くことになっています。

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サクバット アウトリーチ

山梨大学の大内研究室の企画で文化庁の「大学を活用した地域文化活性化事業」の一環で、山梨県北杜市の小学校でのアウトリーチ活動に出演させていただきました。山梨大学の学生さんたちが工夫を凝らして作った、楽器や音楽の説明をするプログラムです。児童の皆さんもノリが良くてとても楽しそう。

古楽を説明するところで出演したのはドイツを拠点に活躍するサクバット奏者の栗原洋介さん、山梨大学で教鞭をとる大内邦靖先生と私。本番に先立って、我が家でリハーサルもしました。サクバットは金管楽器なのに、温かみのある声のような音色で、とてもハマります。このメンバーとはまた演奏する機会があるそうなので、次回が楽しみです。

ブランデンブルグ協奏曲

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バッハがケーテンの宮廷に勤めていた時に、宮廷が新しいチェンバロを購入したお披露目にチェンバロが派手に動き回る協奏曲をかいたのが
このブランデンブルグ協奏曲第5番だと言われています。
山梨県甲府市のモダンオーケストラにご用命いただき、
大きな編成のオケと第一線でご活躍のソリストのお二人と共演させていただきました。

私の手持ちの楽器では442Hzのモダンピッチに対応できないので、
初期鍵盤楽器製作家の小渕晶男さんに素敵なフランドル様式のチェンバロをお借りしました。
正直ヒストリカルな楽器はモダンオケの音量に負けてしまうのでは?と思っていましたが、
そこそこに音が飛んでいたようです。

いつもの古楽の世界とは違うスケールの大きなモダンの世界を垣間見させていただき、
貴重な経験となりました。

茅野市民館講座

茅野市民館で市民を対象に行われた講座が無事終了しました。
ちょっとマニアックな内容に関心を寄せていただけるのか?と初めは
とても心配でしたが、100名を超えるお客様に最後までとても熱心に
話や演奏を聴いていただけて本当に嬉しかったです。
ご参加いただいた方の一部の方だけでも、
音楽の楽しみ方の選択肢を広げていただくきっかけになれば
とても嬉しいです。
たくさんアンケートにも記入していただいて、
その温かいコメントの数々に励まされました。

そして、何と言っても茅野市民館のスタッフの皆さまにもは
本当に献身的にサポートしていただきました。
素晴らしい機会を与えてくださったことに感謝です。

 

古楽についての講座

いつもお世話になっている茅野市民館の主催事業で、
私の扱っている分野の音楽に関して一般市民の方々を対象にレクチャーと演奏を頼まれました。
地元でこのような啓蒙の機会を与えていただけたことは本当にありがたいことです。
少しでも地域の皆さんにバロック音楽に興味を深めていただけるように、
色々と考えています。

楽譜が読めなくても楽譜を図形のように眺めて
そこから読める線的な特徴を演奏に反映させる
実験などを受講生の皆さんと一緒にやってみようと思います。
あとはバロックの特徴の一つ、「言語としての」音楽について
「言語」を意識すると演奏がどう変わるかを実例を演奏してみるなど、
皆さんと実験したり体験していただく内容です。

私一人では心許ないので、今回は市民館の音響担当の久保げしょさんが
なんと対談相手になってくださいます。
久保さんは音楽についての知識が深く、きっと楽しい対談ができると思います。
私個人の音楽にまつわる経験なども質問されるそうです(これは冷や汗ものですね!)

原謡子も二曲ほど歌ってくれることになっています。

『舞台で音楽家は何を考えるか』
10月12日19:30〜
茅野市民館 マルチホール
入場無料

舞台で音楽家は何を考えるか

ハイドンの英語詩によるカンツォネッタ

清里フォトアートミュージアムでハイドンの歌曲のコンサートをDSC_6047
させていただくことになりました。ハイドンは1791年〜92年、
1794年から95年に、音楽興行主のザロモンに誘われて
二度ロンドンでの滞在をします。特に二度目の滞在では英語詩による
カンツォネッタ集を二巻出版します。その成立にはアン・ハンターという
一人の女流詩人の存在が大きな役割を果たしていました。

自然な感情を歌ったアン・ハンターの美しい詩にハイドンは寄り添うような
深みのある音楽をつけています。今回はこのアン・ハンター作詩、
ハイドン作曲の作品に絞ったカンツォネッタに八ヶ岳在住の
春山直英氏製作によるシュタインモデルのフォルテピアノで
伴奏をつけたいと思います。

清里フォトアートミュージアムは写真の美術館で、
写真の世界の楽しさ、奥深さを教えてくれる素敵な
作品が展示されています。現在は台湾写真交流展「島の記憶」
1970〜90年代の台湾写真の企画展の期間中ですので、
こちらもぜひお見逃しなく。

なお、このコンサートの収益はK:MoPAが支援する「ラオ・フレンズ小児病院(ラオス)」、
東日本大震災の被災者支援団体「むすびば(山梨)」に寄付られます。

K*MoPA チャリティライブ2018 Vol.19
Afternoon Classic
9月16日(日)14:00

清里フォトアートミュージアム エントランスホール

ソプラノ    原謡子
フォルテピアノ 杉本周介

参加費:一般¥2000 2名以上はお一人¥1000 小中学生無料 友の会会員無料
要予約・定員70名(全席自由)

お問い合わせ 清里フォトアートミュージアム
0551-48-5599 info@kmopa.com

太田二郎ギャラリーイベント

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妖精の版画家、太田二郎氏のギャラリー
イベントに原謡子とともに参加させていただきました。オズワルドという物語の朗読に挟み込む形でイタリア初期バロックの歌曲をお送りしました。太田二郎氏は最近は朗読の腕前にも磨きがかかり、お客様はその世界に浸っておられる様子でした。12月にも東京の神楽坂でのギャラリーイベントに出演させていただっことになっています。

 

異国の王の夢と幻

コンサート『異国の王の夢と幻』

8月4日(土)は再び八ヶ岳中央高原キリスト教会での公演です。こちらは7月の熱い音楽とは全く正反対の「世にも静かな」コンサートです。まず最初にお伝えしておきますが、このコンサートは本当に静かな音楽会です。クラヴィコードなどはその日、外で蝉の声が激しくなると聴こえないのではないか・・とさえ思ってしまいます。でも小さい音は沈黙へ至る無限の説得力を秘めています。皆さんも大切な人に対して本当に大切なことを伝える時には小声でゆっくり話すでしょう?世の中には大きな音が氾濫しています。音が小さな楽器は静謐な世界へ私たちを誘ってくれます。心に静けさが戻ってくると普段は気づかなかった自分自身の気持ちに気がついたりすることがあります。

さて、皆さんは「ビウエラ」という楽器をご存知ですか?16世紀にイベリア半島で流行した撥弦楽器で、ちょうどギターを小さくしたような形をしています。この楽器はスペインのカール5世と息子のフェリペ2世の時代に花開きましたが、その後突然に衰退して歴史からは姿を消してしまった謎に包まれた楽器でもあるのです。このビウエラはとても魅力的な楽器で甘美で哀愁に満ちた音色を持っています。こんな素敵な楽器がなぜ突然消えてしまったのかは、コンサートの中で、私の推論をお話ししたいと思います。 

実はこの楽器、戦国の日本でも演奏されていたらしいのです。キリスト教の伝来とともにこうしたルネサンス期の西洋の音楽文化も日本に持ち込まれていたのですね。この他にチェンバロやヴィオラ・ダ・ガンバ、リュート、オルガン、クラヴィコードが日本に存在していたようです。今回のコンサートにお越しいただければ、織田信長や豊臣秀吉が聴いたであろう響きを体験できるというわけです。

この楽器は独奏しても美しいですが、特に私が大好きなのはビウエラを伴奏にした歌曲です。ちょっと民謡を思わせるような簡素な旋律が情感たっぷりに歌われ、それを寄り添うようにビウエラが支える・・初めて聴くのにどこな「懐かしさ」さえ覚えてしまいます。今回は日本のビウエラ界の重鎮、水戸茂雄さんにお越しいただきます。水戸さんとは昨年のはらむら古楽祭でご一緒させていただきましたが、その時披露してくださったビウエラの響きがとても鮮烈なものでした。ぜひ水戸さんの演奏を皆さんにちゃんとした形でお届けしたいと思いました。

そして歌は透明感のある歌声で定評がある原謡子。以前から彼女の声はビウエラ歌曲に合うと思っていましたので、とても楽しみです。私は同じ頃にスペインで黄金時代を迎えていた鍵盤楽器の曲を、1540年頃ナポリ(スペイン領)で作られたと言われるクラヴィコード(複製)を使って演奏します。このクラヴィコードは富士見町在住の製作家小渕晶男さんが製作したもので、彼はこの現存する最古のクラヴィコードの実物を調査しにライプツィヒ(ドイツ)の博物館を訪ねて、そこで得たデータや楽器の意図を元に復元したそうです。真夏の昼下がりにビウエラ歌曲。気分はオレンジやオリーブの香り漂うイベリア半島です。

『異国の王の夢と幻』

~16世紀スペイン宮廷が紡いだ魂の音楽~

■日時 8月4日(土)13:00開場 13:30開演

■場所 八ヶ岳中央高原キリスト教会

■出演 ビウエラ/水戸茂雄 ソプラノ/原謡子 フレット式クラヴィコード/杉本周介

■お問い合わせ ムジカロゼッタ 090-7695-9441

前売一般¥3000  前売ペア¥5500   高校生以下¥1000

当日一般¥3500(当日ペア券はございません)

 

バロック音楽で訪れる「イタリア」という国

7月8日に原村の八ヶ岳中央高原キリスト教会で行うコンサートの
イメージ動画を作りました。
情熱的な曲が演奏される予定です。

7月8日(日)15:00開場  15:30開演

タルティーニ: ヴァイオリンソナタト短調 「悪魔のトリル」
ヴィヴァルディ:リュート協奏曲
        トリオ・ソナタ「ラ・フォリア」
ジェミニアーニ:チェロソナタ イ短調

バロックヴァイオリン: 丹沢広樹、上田美佐子
バロックチェロ :   島根朋史
アーチリュート&バロックギター: 金子浩
チェンバロ: 杉本周介

前売一般¥3000  ペア¥5500  当日¥3500
高校生以下¥1000

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