サクバットコンサートのご案内

サクバットコンサートのご案内

林の木陰の雪もほとんど解けて、鮮やかな緑の草が枯葉の間から顔をのぞかせ始めました。

原村では4月末に桜が花を開きます。それを合図に森の木々は一斉に若葉をつけ、草花が春の到来を歓迎するように小さな花で地面を飾ります。そんな原村の春にふさわしい内容のコンサートを企画しました。今回はトロンボーンの原型となったサクバットという金管楽器を山梨大学准教授の大内邦靖を迎えてお楽しみいただきたいと思います。

 

fullsizeoutput_dcサクバット

サクバットは15世紀から17世紀に特に教会音楽の中で使われた楽器です。現代のトロンボーンに比べると小さく、菅体も細身です。そのため音量は現代のトロンボーンに比べてはるかに小さいのです。また楽器自体が不純物をたくさん含む軟質な金属でできているため、複雑なニュアンスを持った音色が大きな特徴になっています。柔らかい声を持った男性が歌っているというイメージでしょうか・・。ヴァイオリンと金管楽器という構成は初めあまりピンと来なかったのですが、実際に音を鳴らしてみると、柔軟な音色を持つサクバットならヴァイオリンと対等に、しかも効果的にアンサンブルが作れることを発見し、とても面白く感じました。

Cesare: La Augustina動画

バロック期のサクバット

fullsizeoutput_dd17世紀に入るまでサクバットは金管アンサンブルの花形楽器でした。これを野心溢れる初期バロックの作曲家たちは独奏楽器として使い始めたのです。今回プログラムに入っているジョバンニ・マルティーノ・チェザーレのLa Hieronyma(1621年)というカンツォンは現時点で最古のサクバットの独奏曲です。その他、音楽の最先端を発信したヴェネツィアからはジョバンニ・ピッキとダリオ・カステロという二人の鬼才の作品を用意しました。そして、今回はこれらの作品が声楽と絡めて演奏していたことから、ソプラノの原謡子にも参加してもらい、当時の新しい音楽の姿を感じていただけるよう演出してみました。

野山は花のよそおい

バロック・ヴァイオリンの丹沢広樹と組んで5年経ちますが、初めて彼と演奏した時に演奏した曲がパレストリーナのマドリガーレ「野山は花のよそおい」によるフランチェスコ・ロニョーニ編曲のディミニューションです。とても素敵な曲でもう何度も演奏していますが、春が来たらどうしても演奏したくなる曲です。今回は原謡子の歌と一緒にお送りします。

春が高貴な新芽で平原のあたりを装って
心地よい異国の香りを運んできた
私は緑に囲まれて 髪を小枝の冠で装う
朝早くにリコーリが来ると 彼は真っ赤な花を摘みながら
私への愛の証と熱っぽく語るの
「これは君のために摘んでいるよ これで君を飾るんだ」
私を包むように話しながら 髪を撫でる彼のその優しい指先は
私の心を締め付ける
こんなに愛した人はいないと気付かせる
だから私には彼しかいないの
私はこれ以上望むものはないの

Rognoni:野山は花のよそおい動画

新緑に包まれた高原の森の教会で、皆様にお会いできたら嬉しいです。ご一緒に八ヶ岳の春を満喫しましょう。4月23日は勝沼の美しいハーブ庭園でも公演があります。

5月4日14:00開場 14:30開演
八ヶ岳中央高原キリスト教会

サクバット:大内邦靖
ヴァイオリン:丹沢広樹
歌唱:原謡子
オルガン&アルピコルド:杉本周介

前売2500  当日3000  高校生以下1000

チケットのお申し込みは下記からも可能です。

どうぞ宜しくお願いします。                   杉本周介

[contact-form][contact-field label=”Name” type=”name” required=”1″ /][contact-field label=”Email” type=”email” required=”1″ /][contact-field label=”Comment” type=”textarea” required=”1″ /][/contact-form]