標高1300メートルの春

高原の森の芽吹き

5月4日に行うコンサート『野山は花のよそおい』の会場である八ヶ岳中央高原キリスト教会での打ち合わせもあり、主日礼拝に出席させていただきました。

標高1300メートルのこの場所は春が遅いのですが、例年より春が遅い今年はこのゴールデンウィークが芽吹きが最盛期を迎えそうな気配でした。

自然文化園ではマルシェが展開され、屋台などもあるのでちょっとした軽食などもできそう。そこから芝生の公園を歩いて坂を5分ほど下ると、山々を見渡せる「まるやち湖」にたどり着きます。教会へはそこから1〜2分森の中を歩きます。今朝は低木の芽吹きが始まっていて、あたりは水彩画のような色彩が広がって幻想的。

このままの勢いであれば、コンサートの日には落葉松が葉を開き、淡い若緑が滲むような光景を目にすることができるでしょう。

こんなに楽しい散歩ができる日なら、自然文化園から歩いて教会へ来ていただくのはとてもおすすめなコースだと思います。きっと清々しい高原の空気を満喫しながら古楽の音色も楽しんでもらえる「素敵な休日」を過ごしてもらえるに違いありません。幸い原村の天気予報では4日は晴れ、最高気温は23度です。

この生命力溢れる自然と同調するような音楽ができたら・・という想いがした朝でした。コンサートの予約がこのところ一気に入ってきていますが、まだお席に余裕があります。当日もありますので、是非よろしくお願いします。

古楽コンサート『野山は花のよそおい』

5月4日(木・祝)14:00開場  14:30開演
八ヶ岳中央高原キリスト教会
テナーサクバット:大内邦靖
バロックヴァイオリン:丹沢広樹
歌唱:原謡子
オルガン・アルピコルド:杉本周介

  • 17世紀イタリアの金管を含む作品を集めて
  • ダリオ・カステッロ、ジョバンニ・ピッキ、ジョヴァンニ・マルティーノ・チェーザレなどのカンツォン
  • 演奏者による楽器や楽曲の楽しい説明やトークがあり、初めて古楽に触れられる方でもお楽しみいただける内容です。
  • サクバットとはトロンボーンの原型で優しい響きを持つ金管楽器です

G.M.Cesare: CAnzon “La Augustina” 演奏の動画です

当日3000 前売2500 高校生以下1000

後援:原村教育委員会、長野日報社、信濃毎日新聞社
主催:ムジカロゼッタ

お問い合わせ、ご予約は下記のフォームからお願いします。

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サクバットツアー初日

勝沼公演

小春日和の山梨県は勝沼のハーブ庭園「旅日記」での公演。庭園はすでに様々な花が咲き乱れ、春の花のパワーを感じる。

今回はサクバットの大内氏の提案でピッチを466Hzという現代のピッチよりも半音高くしての取り組み。こ17世紀ヴェネツィアで使われていたと考えられるこのピッチよればサクバットの演奏上の問題が一掃されるのだそうだ。

オルガンは466Hzに対応していないので415Hz(現代のピッチよりも半音低い)から全音高く読み替えての演奏。調律もD回りの中全音律でカバー。

演奏曲目ははっきり言ってマニアックだが、大内氏による『トロンボーンの歴史速攻講座』のオモシロトークなども含む楽しい解説付きで、少しでもこの麗しい金管楽器に興味を持っていだだけたらと思った。バロックヴァイオリンの丹ちゃん(丹沢広樹)もピッチごとに二丁のヴァイオリンを弾き分ける。

出番は少なかったが、原謡子の歌唱も効果的にプログラムに作用して、少なくともやっている本人たちは楽しかった。

次回は5月4日原村、八ヶ岳中央高原キリスト教会です!

ご興味をお持ちの方、なかなか無い機会ですので是非!!

5月4日 14:00開場 14:30開演八ヶ岳中央高原キリスト教会

5月6日 『大内邦靖サクバットリサイタル』東京都東陽町 ビュッフェクランポンジャパン内サロン

全公演 前売2500 当日3000 高校生以下1000

サクバットコンサートのご案内

サクバットコンサートのご案内

林の木陰の雪もほとんど解けて、鮮やかな緑の草が枯葉の間から顔をのぞかせ始めました。

原村では4月末に桜が花を開きます。それを合図に森の木々は一斉に若葉をつけ、草花が春の到来を歓迎するように小さな花で地面を飾ります。そんな原村の春にふさわしい内容のコンサートを企画しました。今回はトロンボーンの原型となったサクバットという金管楽器を山梨大学准教授の大内邦靖を迎えてお楽しみいただきたいと思います。

 

fullsizeoutput_dcサクバット

サクバットは15世紀から17世紀に特に教会音楽の中で使われた楽器です。現代のトロンボーンに比べると小さく、菅体も細身です。そのため音量は現代のトロンボーンに比べてはるかに小さいのです。また楽器自体が不純物をたくさん含む軟質な金属でできているため、複雑なニュアンスを持った音色が大きな特徴になっています。柔らかい声を持った男性が歌っているというイメージでしょうか・・。ヴァイオリンと金管楽器という構成は初めあまりピンと来なかったのですが、実際に音を鳴らしてみると、柔軟な音色を持つサクバットならヴァイオリンと対等に、しかも効果的にアンサンブルが作れることを発見し、とても面白く感じました。

Cesare: La Augustina動画

バロック期のサクバット

fullsizeoutput_dd17世紀に入るまでサクバットは金管アンサンブルの花形楽器でした。これを野心溢れる初期バロックの作曲家たちは独奏楽器として使い始めたのです。今回プログラムに入っているジョバンニ・マルティーノ・チェザーレのLa Hieronyma(1621年)というカンツォンは現時点で最古のサクバットの独奏曲です。その他、音楽の最先端を発信したヴェネツィアからはジョバンニ・ピッキとダリオ・カステロという二人の鬼才の作品を用意しました。そして、今回はこれらの作品が声楽と絡めて演奏していたことから、ソプラノの原謡子にも参加してもらい、当時の新しい音楽の姿を感じていただけるよう演出してみました。

野山は花のよそおい

バロック・ヴァイオリンの丹沢広樹と組んで5年経ちますが、初めて彼と演奏した時に演奏した曲がパレストリーナのマドリガーレ「野山は花のよそおい」によるフランチェスコ・ロニョーニ編曲のディミニューションです。とても素敵な曲でもう何度も演奏していますが、春が来たらどうしても演奏したくなる曲です。今回は原謡子の歌と一緒にお送りします。

春が高貴な新芽で平原のあたりを装って
心地よい異国の香りを運んできた
私は緑に囲まれて 髪を小枝の冠で装う
朝早くにリコーリが来ると 彼は真っ赤な花を摘みながら
私への愛の証と熱っぽく語るの
「これは君のために摘んでいるよ これで君を飾るんだ」
私を包むように話しながら 髪を撫でる彼のその優しい指先は
私の心を締め付ける
こんなに愛した人はいないと気付かせる
だから私には彼しかいないの
私はこれ以上望むものはないの

Rognoni:野山は花のよそおい動画

新緑に包まれた高原の森の教会で、皆様にお会いできたら嬉しいです。ご一緒に八ヶ岳の春を満喫しましょう。4月23日は勝沼の美しいハーブ庭園でも公演があります。

5月4日14:00開場 14:30開演
八ヶ岳中央高原キリスト教会

サクバット:大内邦靖
ヴァイオリン:丹沢広樹
歌唱:原謡子
オルガン&アルピコルド:杉本周介

前売2500  当日3000  高校生以下1000

チケットのお申し込みは下記からも可能です。

どうぞ宜しくお願いします。                   杉本周介

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